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卵子の染色体異常

■2014/12/08 卵子の染色体異常
こんにちは。培養士の松岡です。

先日、日本生殖医学会の学術講演会が新宿で行われ、聴講参加してきました。

最新知見や症例報告など様々な発表がありました。

その中で卵子の質に関わる発表もあったのでご紹介します。

卵子の質の低下、すなわち卵子の染色体異常率の上昇は加齢によって引き起こされることはみなさんご存知だと思います。

なぜ加齢によって卵子の染色体異常が起こりやすくなるのでしょうか

原因の一つとして、染色体接着因子であるコヒーシンが加齢によって減少することで、うまく染色体の分配ができないことがあげられます。

卵母細胞の第一減数分裂時にトリソミーが起こる確率は40歳で約35%くらいという報告があります。

さらに卵子と精子の受精後に第二減数分裂が再開し、第一減数分裂の時より高い頻度で染色体分配エラーが起こるということも言われています。

マウスでの実験ですが、第一減数分裂時の染色体分配エラーのなかで最も多かったのがDouble Predivisionという現象だったそうです。

普通一番多いのはトリソミーだと思いますよね?

これは、通常第一減数分裂時には二価染色体を形成していますがコヒーシンの減少によって解離し、一価染色体になってしまい、さらに第一減数分裂時にその一価染色体が分裂してしまうという現象です。

④→第一減数分裂→②+②のはずが

④→②+②→第一減数分裂→(①+①)+(①+①)

ということです。

染色体の分配はわかりやすく例えると運動会の綱引きです。両方のバランスが良くないと綱引きとして成り立ちません。

第二減数分裂時にすでに解離してしまっている染色体はバランスが取れず片方に2本とも引っ張られてしまうこともあり、そこでトリソミーが起こるというメカニズムです。

このモデルがヒトの卵子でも同様に言えるのであれば第二減数分裂時に染色体異常が多いことも納得できます。

簡単に言うと、受精前の卵子に一見異常がなさそう(染色体数に異常がない)にみえても実際は染色体分配エラーが起こっていて、受精後にそれが原因でトリソミーなどが起こっているということです。

少し難しいお話かもしれませんがご紹介させていただきました。

培養士はすでに採卵してしまった卵子の質を最大限に保つ努力をしますが、改善することはできません。

卵子の質を改善するにはそれより前のまだ体の中で育っている段階で行う必要があります。

卵子の質についてご相談があれば気軽にご連絡ください。


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