低用量ピル
低用量ピル

低用量ピル

低用量ピルとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の合剤で、両ホルモンの働きで排卵を抑制し避妊効果を発揮します。
低用量ピルは卵胞ホルモンの量を 50 μg 未満に抑えたものをいい、50 μg のものを中用量ピル、50 μg より多いものを高用量ピルといいます。
低用量ピルを正しく服用した場合の避妊失敗率(妊娠率)は0.3%と効果は高く、時々飲み忘れたりした場合でも8%です。 コンドームによる避妊法での失敗率が2~15%、オギノ式など排卵日を避けてセックスをするリズム法での失敗率が9~25%と比較すると、より確実な避妊方法であると言えます。

各種避妊法使用開始1年間の失敗率(妊娠率)

日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」より抜粋
避妊法 理想的な使用(%) 一般的な使用(%)
低用量ピル 0.3 8
コンドーム 2 15
ペッサリー※ 6 16
薬物添加IUD※ 0.1~0.6 0.1~0.8
リズム法※ 1~9 25
避妊せず 85 85
理想的な使用 :
選んだ避妊方法を正しく続けて使用している場合
一般的な使用 :
飲み忘れを含め一般的に使用している場合
※ペッサリー :
子宮口にゴム製のキャップを挿入・装着し、精子の侵入を防ぐ方法
※薬物添加IUD:
子宮内にプラスチック製器具(ホルモン剤や銅が添加)を挿入し、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぐ方法
※リズム法  :
基礎体温を測定し排卵期を知り、避妊の目安とする方法

低用量ピルの種類

日本で発売されている低用量ピルは含有する黄体ホルモンによって大きく3種類に分けられます。

まず、1960年代に開発されたノルエチステロンを使った第1世代、レボノルゲストレルを使った第2世代、そして80年代に開発されたデソゲストレルを使った第3世代です。
さらに、第1世代、第2世代のピルはホルモンの配合比によって2種類に分けられ、ひとつは一相性といって、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの量が服用周期の間、一定量で変わらないもの。もうひとつは三相性といい、ホルモンの配合比が1周期の中で3段階に変化し、自然の性周期のホルモンバランスに近くなるのが特徴で、不正出血の防止やホルモンの全体量を低くするために工夫されています。

どのピルを使用したらいいかは、個人がもともと持っているホルモンバランスや体質によって異なります。 1剤だけではなく、いろいろと試しながら、自分に合ったピルを選んで頂くことも重要です。

患者さんとお話し合いの上、薬剤を決めていきます。

ピルの服用方法

毎日一定時刻に 1 錠ずつ 21 日間服用します。

その後7日間の休薬あるいはプラセボ(ホルモン成分がはいっていない錠剤)を服用しますが、この期間に月経が始まります。

休薬あるいはプラセボ服用終了後に次の新しいピルの服用を開始します。休薬後またはプラセボ錠服用終了後、月経が終わっていなくても、28 日を 1 周期として新たに服用を繰り返します。

避妊の効果以外のメリット

ピルには避妊の効果以外にもいろいろなメリットがあります。

  • 月経周期が規則正しくなる。
  • 月経痛が軽くなる。
  • 月経量が減る。
  • ニキビや多毛症の改善。
  • 卵巣ガン、子宮体ガンの予防。

ピルの副作用

主な副作用は体重増加、悪心、頭痛、不正性器出血、ニキビ、多毛、乳房緊満、気分の変化などがあります。

これらの症状は、体に重大な問題を起こすことはないと考えられており、内服を継続しているうちに、症状が軽減することが臨床試験で認められています。

一方、頻度は少ないですが、血栓症、脳卒中、心筋梗塞など重大な副作用の問題もあります。

喫煙、高年齢、肥満は低用量ピルによる静脈血栓症の発症リスクが高いといわれており、注意が必要です。

当院では、血栓症の既往のある方や35歳以上で喫煙をしている方に対しては、他の避妊法をお勧めしています。また、ピル内服中は定期的に血液凝固系の検査を受けて頂いています。

欧米では、静脈血栓症の発症は、以下の症状と関連することが報告されていますので、低用量ピル内服中に症状を認める場合には、当院へ連絡の上、すぐに循環器内科へ受診をして頂きます。
  • 激しい腹痛
  • 激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み
  • 激しい頭痛
  • 見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害
  • ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている

当院で処方できる低用量ピル

アンジュ(第2世代、三相性)

マーベロン、ファボワール(第3世代、一相性)

オーソM21(第1世代、一相性)

1周期分の費用 初診時3,600円~4,000円 再診時2,600円~3,000円
(税抜き価格 診察料含む、血液検査代は除く)

緊急避妊(モーニングアフターピル)

緊急避妊方法について

緊急避妊とは、避妊をしないでセックスしてしまったとか、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こったなどの場合に、妊娠を防止するという方法です。

現在、最も一般的な方法は、緊急避妊ピルと呼ばれる黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を成分とした薬剤(商品名ノルレボ)を、 セックスの後、72時間(3日)以内に内服する方法です。

緊急避妊ピルは妊娠を防止するための薬ですが、その効果は100%というわけではなく、正確に使用した場合でも妊娠を防止できない場合があります。緊急避妊ピルが本当に効いたかどうかは、服用後すぐにわかるわけではなく、数日ないし数週間後に月経があって初めてわかるもので、もし、予定月経が一週間以上遅れている場合は、妊娠している可能性があります。

この方法は、あくまで緊急時のものであり、今後も避妊が必要な方の場合は、低用量ピルの内服など、より確実な避妊をするための方法についてご説明しますので、どうぞお気軽にご相談ください。

他の緊急避妊方法について

上記薬剤の他、従来から「ヤッペ法」という中用量ピル(当院では商品名プラノバールになります)を内服する方法があります。ノルレボより費用が安いというメリットもありますが、悪心・嘔吐などの副作用の程度がノルレボより強いため、内服できない場合もあります。

受診後、どちらの内服方法にするか、ご説明の上、決めて頂くことになります。

費用 (税抜価格・診察料含む) 4,000円から